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今更、言わずもがなのことだが「パリの街は美しい」。
いかにすれば、このような重厚にして風情に富み憂いを漂わせ、どことなく余裕も醸し出す都会的な街が造れたのか。
ギリシャ、ローマ等と比べて歴史的に特別古いものが残っているわけではない。
エッフェル塔でも、ルーブルでも、オペラ座でも、凱旋門でも、シャンゼリゼ大通りでも、パッサージュでも、たかだか100年〜300年ほど前のものである。それに、極ありふれた街並みと、その均等性の景観、建物のすすけた質感、街角から街角の路地の雰囲気、並木通り、辻公園などの情緒も麗しい。
俯瞰すれば、高台から街並みへと続く坂道と階段、もはや煙を吐くこともない煙突の群れの趣、屋根はその下に展開する様々な人生や生活の哀歓を物語る。
ノスタルジアが息づく詩情に彩られたシックな佇まいのこの街は、「住む人の暮らしと協調の上に育まれた」と言える。
当油絵は、ゴッホ作『モンマルトルから見たパリ』(1886年作)(1889年に完成のエッフェル塔は当然まだ描かれていない)のパノラマ的空間表現の横長形成画に倣って描いた。
ただし、この≪パリ眺望≫作はモンマルトルに次いで高い丘Parc de Belleville(日本人観光客が訪れることはほとんど無い)から、パリを一望した景。