坂道は、上り坂の途中で足の重さを感じるものの、人家の前を通り過ぎ、道端に生える緑の濃淡を重ね合わせた草や、大小の木々が群れ立つ情景を眺めながら、この先に何が現れるのであろうかと期待感を募らせ、そして少しばかりの探求心を抱かせる。 曲がりくねった坂の上りついた先に、ぱっと目に飛び込んでくる乱れ咲く色とりどりの花、あるいは足どり軽く坂を下る前方に広がる奥多摩の光景は、通りすがりの者にとって、心をいやす景観美になって楽しませる。